ルーマニアで難民の子どもたちの教育を支える母親たちによる補習校 ～避難先でも子どもたちが母国語で学べる機会を～

お母さんたちの想い

約11万人のウクライナ難民が避難しているルーマニアでは言葉が違うため、子どもたちは 学校でも不安でいっぱいです。お母さんたちは、子どもたちが少しでも普通の生活を送れ るように、ウクライナ語で学び、質問し、理解し、友達と話し、一緒に考え、遊ぶことが できる補習校の活動を開始しました。

しかし避難生活が長期化する中、この補習校の活動を継続していくためには学用品や運営 費、施設・設備の修繕費などが足りていません。そこで、お母さんたちの活動を支援する ためにこのプロジェクトを立ち上げました。

ウクライナ難民の子どもたちの教育上の課題

難民が避難しているルーマニアのクルジュとヤシでは、子どもたちの約70% がウクライナ の学校でオンラインの授業を受けており、約30% が地元のルーマニアの学校に通っています。

オンラインの授業は、停電により毎日実施することができず、インターネット環境が安定しないこともあり、授業に支障がでています。

ルーマニアの学校に通う子どもたちは、ルーマニア語を理解できず、授業の内容についていくのが難しいと感じています。また、ウクライナ語の授業をサポートする教師も不足し ています。

補習校の立ち上げ

このような教育環境にある子どもたちをサポートするために、ウクライナで教師をしてい た母親たちが補習校を設立しました。

現地の学校での授業やオンライン授業を終えた子ど もたちが、授業で分からなかったことを質問したり、友だちと一緒に楽しく学べる場を提 供しています。算数やウクライナ語などの勉強に加えて、動画を使ったダンスなどの授業 も行っています。NGOと連携し心理カウンセリングを受けることもでき、子どもたちが安 心して学習に集中できる環境作りをしています。

私たちが達成したいこと

避難先のルーマニアでの生活も長期化している中、「いつまでも悲しんでいるわけにはい きません。子どもたちの未来のために、力を尽くして、できることをしなければなりませ ん」とお母さんたちは、前を向いて進んでいます。

多くの子どもたちは、ウクライナへの侵略によって深いトラウマを抱え、夜中に悪夢にうなされたり、暗闇や大きな音におびえたり、また、ウクライナにいる父親や友人に会えず、避難先でも大きなストレスにさらされています。

そんな子どもたちに少しでも日常を取り戻してあげたいというお母さんたちの想いを支え 、学びと楽しみの場を提供していきたいと思っています。

寄付金の使途

インフォーマルな教育である補習校は、公的な支援を受けることが難しく、教材や設備、 運営資金の不足など、多くの課題を抱えています。

補習校での学びを充実させるため、寄せられた資金は、文具、児童用の机・椅子、教材印 刷用紙、コピー機等の備品、子どもたちへのおやつの提供や教師への交通費など運営費に 充当する予定です。

アイ・シー・ネット株式会社について

このプロジェクトを立ち上げたアイ・シー・ネットは、社会問題を解決することで世界を より良くすることを目的とした開発コンサルタント会社です。アイ・シー・ネットは 1993 年の設立以来、主に政府開発援助 (ODA) を通じて、世界 150 か国以上で活動してき ました。2019年に学研グループの一員となり、学研事業の海外展開も担っています。

パレスチナ、シリア、アフガニスタンなどでの難民支援の経験を活かし、2022年7月から ウクライナの隣国であるルーマニアやモルドバでウクライナ難民、特に子どもたちの教育 環境を支援しています。

このクラウドファンディングは、現地調査で知り合ったお母さんたちの希望を受けて立ち 上げたプロジェクトです。避難生活が長引く中、子どもたちが少しでも日常に戻れるよう 、引き続き支援を続けていきたいと思います。